KHL(日: コンチネンタル・ホッケー・リーグ、英: Kontinental Hockey League、露: Континентальная Хоккейная Лига)はロシア・ベラルーシ・カザフスタン・ラトビア・フィンランド・スロバキア・中国で構成されているプロアイスホッケーリーグである。北米のNHLに次いで世界で2番目にレベルの高いアイスホッケーリーグと考えられている。
1996年にインターナショナル・ホッケーリーグ(IHL)が解体した後、CISの強豪クラブは自国のリーグへ戻っていった。2005年10月、ロシアスポーツ省の大臣だったヴャチェスラフ・フェティソフはロシア、ベラルーシ、カザフスタン、ラトビア、ウクライナ、更に将来の展望として西欧および極東諸国も含めたクラブ統一リーグ構想を提案し、ユーラシア・ホッケーリーグと呼ばれた。 フェティソフ大臣は日本、中国、韓国のチーム加入も視野に入れていた。フェティソフ大臣の構想では、それは一国のアイスホッケー連盟、特にロシアアイスホッケー連盟からもPHL(プロフェッショナルホッケーリーグ、当時のロシアスーパーリーグを主催していた組織)からも独立し、ナショナル・ホッケーリーグ(NHL)のような商業モデルを志向したリーグだった。9つのクラブが加入の意思について契約に署名した。新しいリーグは2006-2007年の最初のシーズンに12チームで開幕し、将来は20チーム以上に拡大する予定だった。 しかしそのシーズンに計画は開始できなかった。翌シーズンの2007-2008年はこの構想は論争の的となったが、やはりリーグは開幕しなかった。ついに2008年2月、ロシアアイスホッケー連盟の反対にもかかわらずリーグの開幕が決定され、当初はオープン・ロシア・ホッケーリーグ(ORHL)と呼ばれたが、結果としてコンチネンタル・ホッケー・リーグ(KHL)という名称に決定した。KHLの会長になったのはアレクサンドル・メドヴェージェフで、取締役会の議長はヴャチェスラフ・フェティソフになった。この計画ではユーラシア・ホッケーリグのために提案された構想ほぼすべてが実現した。それはCIS、将来の西欧のクラブの参加、ジュニア選手のドラフト、ディビジョンとコンファレンスの分類、年俸の上限、記念カップ、インフラに関するクラブ側への厳しい規格、どちらかが4勝するまで続く長いプレーオフである。ユーラシア・ホッケーリーグ構想との唯一の大きな相違は、ユーラシア・ホッケーリーグでは当初ロシアスーパーリーグから複数のクラブを引き抜く計画だったのが、スーパーリーグに加入していた全クラブがKHLに加入したことであった。
KHLは2008年にロシアスーパーリーグを基礎として発足した。当時24チームで発足し、そのうち21チームがロシアのクラブであり、ベラルーシ、カザフスタン、ラトビアからは1チームずつがKHLに加入した。2008年9月2日、ディナモ・リガのアレクサンドル・ニジヴィーがアムール・ハバロフスクとの試合でKHLが発足して初のゴールを決めた。 リーグ優勝チームにはガガーリン・カップが授与されるとともに、クラブの国籍に関係なくロシア国内チャンピオンとして認定される。2009年4月12日、アクバルス・カザンがシーズン2008-2009においてKHL史上初のガガーリン・カップ優勝を成し遂げた。
2014-15シーズンより、2014年ソチオリンピックが開催されたソチに新チームが発足、新たにフィンランド国内リーグから1チーム移籍し、ロシア下部リーグより1チームが復帰するも、財政難から2チームが不参加、ウクライナ情勢により1チームが参加を見送り、合計チームは28のままで開幕した。
2009-2010シーズンの始めからリーグには別のクラブも加入するようになった。 大会から脱退したヒミク・ヴォスクレセンスク(モスクワ州)に代わってエカテリンブルクのアフトモビリストが加入。 2010年,2008-2009シーズンと2009-2010シーズンのマイナーリーグ覇者ユグラがKHLに加入した。一方で財政的な問題からラーダはKHLを脱退することを余儀なくされた。また、MVD(バラシハ、モスクワ州)はHCディナモ・モスクワと合併後に解散した。
2016年6月25日、KHLの取締役会は北京のアイスホッケークラブ、レッドスター・クンルン(Red Star Kunlun)のKHL加入申請を受理した。 同日、ロシアのプーチン大統領の訪中行事の一環として、プーチン大統領と習近平国家主席立ち合いの下、北京においてKHLのティムチェンコCEOとレッドスター・クンルンのCEOであるNgok Jen Jüが加入に関する契約書に署名をした。レッドスター・クンルンはKHL初の中国チームとして、シーズン2016/17からKHLの定期試合に参戦する。
2014-15シーズンにはウクライナのドネツィクを本拠地とするHCドンバスがドンバス戦争を期にリーグから撤退。
2021-22シーズンのプレーオフに入る直前である2月25日にフィンランドから参戦していたHCヨケリトは、ロシアによるウクライナ侵攻に抗議するためプレーオフラウンド進出が決まっていたが、そこからの撤退を決めた。
2月27日にはラトビアから参戦していたディナモ・リガがリーグ撤退を発表。
さらに、3月8日には北米アイスホッケーリーグNHLとの取引が停止された。